リニア、海外誘客で連携 長野、山梨、岐阜県3知事が懇談

長野、山梨、岐阜3県の知事懇談会が14日、諏訪市湖岸通り3の浜の湯で開かれた。リニア中央新幹線を生かした地域づくりや高規格幹線道路の整備、広域連携による山岳観光、海外誘客(インバウンド)推進の分野で連携していくことで一致。各課題について担当者レベルの会議を設け、意見交換や情報共有を図ることを申し合わせた。

 3県の知事懇談会は、田中康夫元知事時代の2001年に続き2回目。

 リニア中央新幹線について岐阜県の古田肇知事は「駅と各地を結ぶアクセス整備は共通の課題」と指摘。阿部守一知事は山梨県駅は諏訪地方、岐阜県駅は木曽地方の県民の利用が見込まれることから「長野県からのアクセスも視野に入れてほしい」と求め、「3駅を生かした地域活性化に共同歩調で取り組み、問題意識を共有したい」と述べた。

 一部区間の開通にとどまっている中部縦貫自動車道(松本市―福井県福井市)や中部横断自動車道(小諸市―静岡県清水市)については、観光や物流に欠かせない要素と確認。小仏トンネル付近など中央道の渋滞対策と合わせ、国などに対し合同で早期の整備や対応を求めていくとした。

 観光は阿部知事が「山岳や高原の魅力を十分に伝え切れていない。来年の南アルプス国立公園指定50周年、中部山岳国立公園指定80周年に合わせ、内陸県ならではの山岳の魅力を一緒に発信したい」とし、世界文化遺産登録された富士山や、乗鞍岳などと合わせた情報発信を提案。遭難対策や登山道、山小屋整備などの課題を含め、連携を深めるとした。

 インバウンドについても「東南アジアでは紅葉や滝、雪への関心が高い」(古田知事)と3県の優位性を強調。インドネシアやベトナムなどをターゲットに、3県を組み込んだ観光ルート提案などに取り組むとした。横内正明山梨県知事は国際チャーター便の誘致など、松本空港の活用を求めた。

 阿部知事は「リニア開通の動きが加速する中で、3県の関係性はこれまで以上に重要になる。この枠組みを維持し、共通の課題に向き合う契機にしたい」と述べた。

 

出典:長野日報

http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=29919