12年の都市別外国人観光客ランキングで香港がトップ、東京は36位

 世界で最も多く外国人観光客が訪れる都市は香港だという。

中国本土から大量の観光客が流れ込んでいるためだ。

 

 英国の市場調査会社ユーロモニターが今週発表した「都市別外国人観光客ランキング」によると、2012年に香港を訪れた観光客数は2380万人と、シンガポールの2130万人、バンコクの1580万人を上回った。

ユーロモニターは2012年の順位を決めるに当たり、政府統計や空港への到着者数を含むさまざまな旅行データを分析した。現時点で入手可能なランキングは12年版が最新。  

 

 12年に中国から香港を訪れた人は11.1%増となり、香港訪問者全体の63.5%を占めた。香港は中国の支配下にあるが、中国とは異なる税関・入国管理システムを持ち、中国本土からの観光客を海外からの観光客とみなしている。もっとも中国本土から香港を訪れる人の多くは近隣の深センからの日帰り客で、彼らの目的は粉ミルクなどの生活必需品を買い込むことだ。  

 

 香港がトップに浮上したのはつい最近のことだ。09年の同じランキングでは10位で、訪問客数は700万人強にすぎなかった。当時はロンドン、バンコク、シンガポールが上位3位を占めていた。ところが翌10年に中国からの観光客が押し寄せたおかげで訪問客数は一気に2000万人に増え、トップに躍り出た。

 

 タイを訪れる中国人観光客の増加も目立つ。12年にはタイを訪れる中国人は62%増となり、タイの観光客全体で最も大きな割合を占めた。ユーロモニターは、タイで中国人観光客が増加した理由として中国のコメディー映画「ロスト・イン・タイランド」の成功を挙げた。  

 

 中国人観光客がけん引役となってバンコクはロンドンを抜き、3位に浮上した。4位ロンドンの観光客数は1550万人。5〜7位はマカオ、クアラルンプール、深センとアジアの都市が占め、8〜10位にニューヨーク、トルコのアンタルヤ、パリが続いた。東京は36位だった。  

逆に海外への出発者の多い5カ国はドイツ、米国、英国、中国、ロシアだった。しかし、ユーロモニターは新興国での富裕層の台頭を理由に、17年には中国がドイツを追い抜き、ロシアが3位に浮上するとみている。

またパリを例に挙げ、中国人観光客の査証(ビザ)発給手続きを簡素化すればその恩恵はすぐに表れる、と指摘した。12年にパリを訪れた中国人の数は前年から16.1%も増加した。

 

出典:THE WALL STREET JOURNAL

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304882304579353723631379550.html?dsk=y