海外からの旅行者を、和食で“オモテナシ”するときの心遣いとは?

2013年に、観光やビジネスで日本を訪れた外国人が1000万人を突破し、さらには“和食”がユネスコの無形文化遺産に登録された。日本文化、とりわけ和食についてはますます注目されるが、ところで和食のどんなところが評価されたのだろうか?

 

無形文化遺産への登録について農林水産省・大臣官房政策課に話を聞いてみると、 「和食といっても、”肉じゃが”や”寿司”が登録されたわけではありません。日本人がどのように和食に向き合っているか、和食のならわし、和食の技術など、和食という食文化そのものが登録されたのです。和食は年中行事との関わりが深く、季節感を大切にしています。さらに、昔から一汁三菜と言われるように、脂のうまみではなく、だしのうまみを使ってカロリーを低く抑えており、栄養バランスにも優れた健康食なのです」 

とのこと。  特定のメニューだけではなく、和食全体が世界から認められたというわけだ。日本食は世界中で食べられているが、この無形文化遺産登録により、和食文化を本場で楽しむ目的で日本に訪れる旅行者も増えそうだ。  

 

例えば和食で海外からの旅行者をもてなすときに、どのようなことに気を付けたらよいのだろうか? 和食文化に詳しい『日本箸文化協会』代表の小倉朋子さんに話を伺った。 

 

和食といえば箸。そもそも、箸を使える国はどのくらいあるのだろうか?「日本以外にも、中国、韓国、台湾、ベトナムなど、世界の全人口の約30%が“箸食”の国です。それ以外にも日本食に興味を持って箸を使う人が増えています。その一方で、最近では、食べ方の多様性や食卓での教えが少なくなってきて、日本人でも箸使いがおぼつかない人が多くなっているように思います」 

和食が世界に広まって、箸を使う人が増えてきているようだ。ちなみに、海外の人が一般的に好きな和食、嫌いな和食というのは?

「よく言われているように、寿司、天ぷら、すき焼き、焼き鳥、ラーメンなどは人気があります。煮魚や、生魚の寿司も食べられる人が増えていますね。逆にあまり人気がないのは、梅干し、納豆、のり、たこなど。生卵を使う卵かけご飯がダメという人は多いですね」

 卵かけご飯は、いまや「TKG」と称され、私たち日本人にとってはなくてはならないメニューだが、海外の人にとっては苦手のようだ。

その他にも食事の場所は、座敷など畳がある場所が喜ばれるのだとか。小倉さん曰く、「冬に温かいおしぼりというのも、日本ならではのおもてなしです」

とのこと。

 

日本に住んでいると気づかないような、ちょっとしたことでも喜んでもらえることがあるようだ。何より歓迎の気持ちを持ってもてなすことが“オモテナシ”なのではないだろうか。

 

出展:日刊スポーツ.com

http://housing.nikkansports.com/news/f-hs-tp0-20140207-2014020757965.html