増加するタイ人観光客 直行定期便へ県始動

7月から観光客の査証(ビザ)が緩和されたタイ人客の訪沖者数が増加している。県が発表した2013年4~8月までの入域タイ人観光客数は前年同期比5・7倍の4千人と大幅に増えた。7月が全増で200人、8月も全増で500人だった。中でもMICE(企業の報奨旅行など)による増加が目立つ。増加に伴い航空会社や旅行会社も対応を強化する。県は「円安やビザ緩和の影響が出始めている。今後も好調に推移する」と分析し、直行定期便開設への働き掛けを強める。
 タイ人客の誘致に取り組むジャンボツアーズ(那覇市)は13年9~11月までで、前年にはなかったMICEで約700人の誘致に成功した。同社インバウンド事業部の田中利幸部長は「タイ人客がもたらす経済効果は非常に大きい。1人当たり県内消費額が約7万円となる。今後タイを含めた東南アジア諸国連合(ASEAN)からの誘客を取り組んでいきたい」と強調した。
 一方、現在タイと沖縄を結ぶ直行便がない。多くのタイ人客はチャーター便を利用するほか、台湾の台北や香港などを経由する。中華航空沖縄支店によると、7月の台北経由のタイ人客数は前年同月比約2倍の77人、8月は2・4倍の154人、9月の予約人数も20%増となっている。同店の黄元〓(こうげんげつ)支店長は「今後需要に合わせて機材の大型化も検討する」と述べた。
 タイ人客の誘致に向けて、県は2~5日まで、タイのバンコクで沖縄観光MICEセミナーを開いた。県の担当者は「現地旅行関係業者から沖縄観光への問い合わせが多く、セミナー参加者も非常に増えた」と話した。直行便開設に向け「タイ国際航空の関係者を沖縄視察ツアーに招待し、バンコクの連続チャーターから定期便への開設を狙いたい」と意気込む。
 沖縄観光コンベンションビューローも本年度内にホームページのタイ語版を導入し、タイ人向けに沖縄観光情報を発信する。

出典:琉球新報 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-212809-storytopic-4.html