観光フェアで訪日旅行売り込み:ビザ免除後初のソンクラーン、日本へ集客狙う[観光]

首都バンコクで20~23日、観光見本市「国際旅行フェア(TITF)」が開かれ、日本から参加した約60の企業や地方自治体が訪日旅行商品を売り込んだ。今年は、昨年7月のタイ人の短期滞在査証(ビザ)免除後初となるソンクラーン(タイ正月)連休を4月に控え、各団体が呼び込みを強化している。

 

各団体はフェアに出展したブースで一般人向けに訪日旅行を売り込んだほか、タイの旅行業者を対象としたセミナーと商談会でもPRした。日本政府観光局(JNTO)バンコク事務所の伊東和宏所長は21日、セミナー冒頭で「まだまだタイ人に知られていない日本の魅力があるので、積極的に情報を発信してほしい」とあいさつした。

 

日本関連のブースはに好調。伊東所長によると、昨年2月の前回イベントを上回る人が日本の各団体ブースを訪れており、商品の販売も上々という。平日に会場で情報収集をして吟味した後、週末に改めて購入に訪れる人も多いという。

 

タイでは政局混乱が長期化しているものの、タイ人の海外旅行需要への影響は軽微とみられる。ただ、日本人の訪タイ需要に影響が出て、タイ~日本間の航空便の一部欠航が決まるなど、今後タイ人の訪日旅行にもマイナスになりかねないことから、「早期の混乱収束を願う」(伊東所長)。

 

■直行便停止にデモ影響

仙台市は、昨年12月にタイ国際航空(THAI)がバンコクからの直行便を就航させたが、冬期スケジュールが終わる今年3月末で終了が決まった。反政府デモの影響で、日本からの旅客が伸びなかったことなどが要因とみられ、市の担当者は「非常に残念。ただ直行便運航でタイでの知名度は上がった。今年の冬期での直行便復活を目指し、情報発信を続けたい」と述べた。市は昨年12月「フェイスブック」のタイ語ページを開設。タイ人の利用者が多く、これまでに約2万7,000人の登録があった。

 

■栃木や新潟が誘致強化

タイ人観光客の誘致強化に取り組む栃木県は、生産量日本一を誇るイチゴを売りに「ストロベリー・キングダム」の看板をブースに設置。関係者は「県内では歴史テーマパークの日光江戸村が人気。さらに訪問先を増やしてもらえるよう売り込んでいく」と話した。

「スノーカントリー」と冠した新潟県は、スキー場や芸者文化、寿司、日本酒などの魅力を紹介。ブースを訪れたタイ人女性のアップルさん(42)は、「ソンクラーンの行き先を探しに来たが、新潟の情報を聞いて、来年の冬、子どもを連れてスキーに行ってみたいと思った」。日本に親族が住んでおり、訪日旅行は10回以上。「東京、関西、九州のほか北海道も数回行った。次は新しい場所に行きたい」と話した。

 

■バードさんら表彰

JNTOバンコク事務所は21日、訪日観光に貢献した個人・団体を表彰する「第4回ジャパン・ツアリズム・アワード」の授与式を開き、特別賞にタイの国民的スター、トンチャイ氏(バードさん)やTV番組「マジデ・ジャパン」が選ばれた。

昨年の訪日タイ人数は、目標の40万人を大きく上回る45万3,600人(前年比74%増)で過去最多を記録し、国・地域別で6位に入った。今年1月は前年同月比68.9%増の2万7,200人だった。

 

出典:NNA.ASIA

http://nna.jp/free/news/20140224thb003A.html