10月から免税対象拡大 中国から訪日客急増も… 円安元高が追い風に

訪日外国人向けの消費税の免税制度が10月1日から大きく変わる。これまで対象外だった飲料品や化粧品なども免税され、なかでも円安元高の恩恵も受ける中国からは大量の訪日客が見込まれている。


 中国では、10月1日から建国記念日にあたる「国慶節」の大型連休が始まり、日本を訪れる観光客が大幅に増える見通しだ。円安の進行で、為替レートだけで昨年秋に比べ約20%も日本での買い物が割安になったところに、免税措置が改正され、中国人の訪日客にとっては、大きなメリットがあるからだ。


 昨年秋には人民元が1元=15円前後だったが、円安と元高で現在は同18円に近づいている。この為替レートの変化だけで、昨年秋に比べ約20%も日本での買い物が割安になった。さらに、中国国内では消費税に相当する内税が10~30%と高率のため、これらを合わせると、「上海からみて日本はおよそ半値の“買い物天国”と映り、7日までの(国慶節の)連休中に旅行客は昨年比で2倍近く増える」(上海の旅行会社)との見通しだ。


 富裕層や中間所得層が管轄エリア内に多い上海の日本総領事館では、訪日ビザの発給数が過去最高水準で推移しており、今年1~8月で56万4千件(団体を含む)と、前年同期比で約2.5倍に急増。中国全体の訪日数は通年で、昨年に比べ約1.3倍の200万人を突破する勢いだ。


中国人の訪日数は、2011年の東日本大震災や12年の尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化などをめぐる日中関係悪化で落ち込んでいたが、反日感情が薄らぐ一方、円安など“お得感”で一気に回復。今年1~8月の累計で前年同期比84%増の154万2千人と、年間最多だった12年通年の142万5千人を超えた。


 中国本土から、香港やマカオを含むパスポート管理の域外への出境者数が、今年は初めて1億人突破が確実になるなど、「海外旅行ブーム」が起きていることも追い風だ。年間の出境者数は、18年までに2億人を超えるとの予測もある。


 日本にとっては、観光収入の増大で経済活性化が期待されるが、中国語ガイドの数やホテルの客室数、団体用バスの不足など受け入れ態勢が間に合わない問題が残る。マナーの悪い中国人が引き起こすトラブルへの懸念も広がりそうだ。


出典:MSNニュース

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140930/fnc14093006000002-n2.htm