中部の新中計、19年度は旅客数1500万人目標-「中部拠点」呼びかけ

中部国際空港は3月31日、2015年度から2019年度の中期経営戦略を発表した。5年間を「飛躍的な成長を実現させるための『第2の開港期』」と位置づけ、「航空ネットワークの拡大」「施設機能・サービスの向上」「商業事業の拡大」「地域連携・環境経営の推進」「経営基盤の強化」「安全・安心の確保」の6つの重点施策に取り組んでいく。19年度の業績目標として旅客数1500万人を掲げた。


 3月31日の会見で、中部国際空港代表取締役副社長の各務正人氏は、1500万人を「高い目標」であるとし、既存便の需要の積み上げのみでは達成は難しいと説明。中部を拠点化する新たな航空会社を誘致し、国内外へのネットワークを拡充していく考えを示した。さらに中部の拠点化により、訪日外国人の際内乗継の取り込みもはかる。


 1500万人のうち、国際線は800万人、国内線は700万人。国際線のうち訪日外国人は400万人を目標にした。各務氏によると、中部地域では国が掲げる2020年の訪日外客2000万人のうち、10%に当たる200万人を地域目標としている。19年度の目標は地域目標を踏まえ、往復の航空旅客数として400万人に設定したという。このほか、発着回数は13万回、売上高は700億円、負債残高は3000億円未満をめざす。


 中期計画初年度に当たる2015年は、旅客数を1010万人以上に設定。国際線は450万人以上、国内線は560万人以上を目標とした。なお、2014年度の旅客数についてはスカイマーク(BC)の破綻やエアアジアX(D7)の運休など「アクシデントがあった」ため、当初目標の1010万人は下回るとともに「1000万人には届かない見込み」だという。


▽航空会社の拠点化めざす-LCC誘致積極化

 中期経営戦略では、中部を起点とした利便性の高いネットワークの構築をめざす。航空会社のニーズを踏まえ、運航コストの提言や、地域や旅行業界と一体となった需要喚起策にも取り組んでいくとした。


 路線については特に北米、欧州線の充実をはかりたい考えで、以遠権のあるアジアの航空会社などにアプローチしているところ。各務氏によると、3月にはタイ国際航空(TG)本社にエアポートセールスをおこない、ロサンゼルス線就航などの提案をおこなったという。


 加えて、「訪日旅行のゲートウェイ空港」をめざしたLCCネットワークの構築もはかるとともに、LCCを含む航空会社の中部の拠点化についても取り組んでいく。以前中部の拠点化を表明するも撤退し、現在再就航に向けて活動中のエアアジア・ジャパンについては、運航再開に向けたサポートをおこなっているとした。また、現在中断している新ターミナルの建設については、2019年度までの実現については明言は避けたが、需要動向を見ながら「時期を逃さず着手できるよう」検討を継続していくとした。


 さらに、LCCの拠点化や訪日外国人の増加を見込み、施設機能やサービスの向上にも取り組んでいく。例えば、中部は今まで日本人客の利用が多く、空港にとどまらず地上交通機関をすぐ利用するケースが多かったことから、到着ロビーはシンプルだった。しかし、訪日外客の需要増を踏まえ、観光案内などのサービスを強化していくという。


 また、3月31日には訪日外国人向け観光ナビゲーションアプリ「NAVIGATE SHORYUDO」の提供を開始。積極的な活動を呼びかけていく。


 このほか、中部地域で訪日誘客を取り組む「昇龍道」プロジェクトをはじめ、地域連携の深化もはかる。4月1日付の組織改編では経営企画部内に「地域・環境グループ」を新設し、窓口を一本化した。15年は昇龍道プロジェクトのターゲット国・地域に対し、重点的に航空会社へのセールス活動や誘客に取り組んでいく考えだ。


出典:トラベルビジョン

http://www.travelvision.jp/news-jpn/detail.php?id=66572

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