<弘前城>天守曳屋大成功 入園者が倍増

弘前公園(青森県弘前市)の弘前城石垣修理のため、8月中旬から約2カ月にわたって行われた天守を動かす曳屋(ひきや)工事が10月下旬、完了した。市は曳屋工事を観光の見どころの一つとしてあの手この手で発信。曳屋の期間中は前年に比べて観光客が倍増したほか、全国的な注目を集めることにも成功した。


 市が最も力を入れたのは秋の大型連休に合わせて設定した9月20~27日の「曳屋ウイーク」。移動用の天守台につなげた綱を引っ張り曳屋体験ができるイベントを開き、県内外から約3900人が参加した。

 曳屋工事の開始を祝う「地切り式」から、仮設天守台に据えられる工程を見守る「着座式」までの一連の式典が行われた8~10月末、約400トンの天守が動く様子をひと目見ようと観光客らが詰め掛けた。市によると、弘前城本丸の有料区域入園者は約11万5900人で、前年同期比約5万7900人増とほぼ倍増した。

 ことしのさくらまつり期間(4月18日~5月6日)の有料区域入園者は約19万6700人と、満開と重なった前年(4月23日~5月6日)の約26万1000人を下回ったが、曳屋効果で補った形だ。

 市が8月1日~10月15日を対象に集計した結果、新聞やテレビ、ウェブサイトで約150回取り上げられ、約25億450万円の広告効果があり、全国から注目を集めることにも成功したという。

 葛西憲之弘前市長は「宿泊施設や市内飲食店など市全体でさまざまな波及効果を得ることができた。発信を続けてインバウンド(訪日外国人旅行客)対策に取り組んでいきたい」と話した。

 来年度以降は石垣解体など修理が本格化する。市はこれまでも工事の様子を公開してきたが、今後も全工程を公開して進める。


出典:河北新聞

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201511/20151105_23010.html

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