道路の常識、不思議な日本 訪日外国人増加受けどうすべき?

増加する訪日外国人を受け、道路標識の変更を検討する動きがあります。実は日本の道路標識、外国人には混乱を招きかねないものがあるのです。日本の道路には世界的に見て独特で、不思議な現実があります。

 

外国人が混同しかねない日本の「止まれ」

「一時停止」を示す道路標識について、海外からの旅行者増加が見込まれる2020年の東京五輪に向けて外国人でも一目で分かるよう、警察庁が表示の変更を検討していると2016年1月、報道されました。

 

「止まれ」の標識は、日本では赤枠の逆三角形に日本語で「止まれ」と書いたものが1963(昭和38)年から採用されていますが、欧米などの八角形とは明らかに形が違い、外国人ドライバーが戸惑いやすいためです。

 

 1968(昭和43)年に成立した国際条約「道路標識及び信号に関する条約」が定めた「国連標識」では、「一時停止」は赤い八角形のなかに英語(国籍を超えて)で「STOP」と書いたものか、あるいは赤の円で赤の逆三角形を囲ったなかに「STOP」を書いたものの2種類が定められていますが、多くの国が八角形を採用しています。

 

 日本はこの条約を批准しておらず、どちらのパターンとも違いますし、そもそも多くの外国人には「止まれ」という日本語が読めません。

 

実は日本の「止まれ」(赤地の逆三角形)は、国連標識の「道を譲れ」(赤枠の逆三角形)によく似ています。「道を譲れ」には一時停止の義務はないので、これと混同した外国人ドライバーが、一時停止をせずに進行する可能性は十分あります。

 

 日本は非常に一時停止の多い国です。警察庁によると、一時停止標識は全国で約170万カ所あるとのことですが、道路が狭く人口密度の高い日本では、「止まれ」の標識は非常に重要です。この一番大事な標識が国際基準とかけ離れているのは問題が大きい、というわけです。

 

出典:乗り物ニュース

http://trafficnews.jp/post/48054/

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