ジャパンブルーに驚き 札幌の藍染め体験、外国人に人気

札幌市東区北8東16の藍(あい)染め工房「藍染坐忘(ざぼう)」で開かれる体験教室が、札幌などに滞在中の外国人の人気を集めている。藍色は海外で「JAPAΝ BLUE」と呼ばれ、外国人にとって藍染めは「日本文化を肌で感じられる」と興味深いようだ。

 

 藍染め職人の熊谷大輔さん(39)が、茶褐色の藍液から木綿のシャツを取り出した。浸す前は白かったシャツが空気に触れた瞬間、濁った青緑色に変わった。藍液の成分が酸化して発色する仕組みだ。この作業を何度も繰り返し水にさらして、深い海のような藍色に染め上がる。体験した外国人は「ワオ!」と驚きの声を上げるという。

 

 藍液の原料となるアイの生産は徳島県が本場だ。明治時代は徳島からの入植者が旧篠路村(現札幌市北区)で栽培に取り組んだが、化学染料などに押されて断念した。道内で現在、生産しているのは伊達市の篠原一寿さん(67)のみ。篠原さんは「札幌で観光客などが藍染めを体験できる工房は珍しい」と話す。

 

 工房は、店舗ののれんなどを製作する会社を経営する折居(おりい)健二社長(47)が「日本独自の文化を身近に感じるきっかけになれば」と、社内の一室に2013年に開設した。

 

 藍液は天然素材のみでつくる。伊達市や徳島県から、アイの葉を発酵・熟成させた「すくも」を取り寄せ、すくもと木の灰の上澄み水を混ぜ、さらに発酵させ、完成させる。

 

 オープンした13年、藍染めを体験したのは数十人の日本人だけだった。口コミで話題となり、昨年は日本人約200人と、米国や中国などの外国人約40人が体験した。外国人の大半はホームステイしている学生で、「すし、着物は知っていたけれど藍染めは初めて」と人気という。

 

 熊谷さんは「東区に観光客が訪れるきっかけになれば」とPRしている。

 

 体験はハンカチ(2280円~)、Tシャツ(3480円)などがある。服の持ち込みもできる。手拭いなど、藍染めの雑貨も販売している。営業時間は午前10時~午後8時。定休日は日曜と祝日。要予約で、申し込みは藍染坐忘(電)011・733・4343へ。

 

出典:北海道新聞

http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/sapporo/1-0312492.html