海外観光客増加時代「水炊き」や「ちゃんこ」は英語でどう言う?

「外国人のお客様が、いなり寿司を指さして、これは何だと聞かれて。慌てて英語ができる常連さんに電話しちゃいましたよ」(東京・恵比寿にある寿司店の職人)

 

「肉じゃがを出したら、海外のお客様にこれはどうやって作るのか聞かれて。うまく表現できなくてもどかしいんです」(群馬にある温泉旅館の女将)

 

 2013年12月にユネスコの無形文化遺産に登録された和食。外国人が好きな外国料理の第1位は「日本料理(66.3%)」(「日本食品に対する海外消費者意識アンケート調査」日本貿易振興機構/2014年3月)。

 

 外国人観光客が訪日前に期待することも「日本食を食べること」(69.9%)(「旅行目的アンケート調査」日本政府観光局/2016年10~12月)がダントツの1位となっている。さらに、海外の日本食レストランの数は、今や8万9000店に増加(外務省調べ/2015年)。

 

 それゆえ、冒頭のような嘆きの声が各所で上がっている。『和食の英語表現事典』(丸善出版)の著者で、同志社大学名誉教授の亀田尚己さんは言う。

 

「私は元ビジネスマンとして25年間に計40か国、海外を訪ねましたが、当時でも大きな都市には必ず日本食レストランがあったんですよね。日本人がほとんどでしたが、現地の人も少なからずいて、その時、『これは何か』という説明に苦労した経験があって。対訳だけでなく日本の食文化も伝えたいと思ったんです。外国人観光客が増えた今、ますますニーズを感じています」

 

 2020年の東京五輪まであと3年。レストランで、隣に座った外国人から「What is this?」と聞かれることが日常の光景になる日はそう遠くない。今から日常会話を覚えるなんて…と思っている人でも、毎日の食卓に並ぶ和食ならば、きっと覚えられる!

 

◆間違いを恐れなければ世界は広がる

 

 亀田さんいわく、英語表現には3通りある。

 

【1】海外にも同じものがあり言い換えられるもの――まぐろ(tuna)、【2】似たもので言い換えられるもの――大根(Japanese radish)、そして【3】海外には存在しないもの。例えば天ぷら(tempura)や寿司(sushi)など有名すぎる和食はそのままで通じるが、そうでない和食はその形態を説明することで、「What is this?」に答えることになる。

 

 さて、ここで問題です。「Chicken Hot Pot」が表す和食とは? そのまま訳すと「Chicken=鶏」「Hot Pot=熱い容器」。想像してみてください。わかった人も多いでしょう。そう、答えは「水炊き」。

 

「『Hot Pot=鍋』と覚えると便利です。例えばすき焼きは『Beef-based hotpot』になりますし、ちゃんこ鍋は『Sumo wrestler’s hotchpotch(hotpot)』となります。

 

 2012年に世界の人口は約70億人でしたが、そのうち4人に1人の約17億5000万人が英語話者人口でした。でも、そのうち3億3000万人ほどしかネイティブじゃない。つまり約14億2000万人はノンネイティブなんです。日本人は“間違い恐怖症”になっていますが、そういう気楽さをもって、英語を学べば、世界はうんと広がっていきます。和食はその第一歩として、おすすめです」(亀田さん)

 

 先日放送されたクイズバラエティー『QUIZジショモン』(日本テレビ系)では、出演者が自由闊達に想像を膨らませた。

 

『sushi in fried tofu』に対して、りゅうちぇる(21才)は「トッポギ」と珍回答(答えは『いなり寿司』)。また『sweet Adzuki-bean jelly』については、赤江珠緒アナ(42才)が「あんこ」、千鳥のノブ(37才)が「ぜんざい」、作家・西村賢太さん(49才)が「あんみつ」と答えるなか、IKKO(55才)が「ようかん」と答え正解。

 

 さらに難易度がグンと上がって『“As-You-Like-It”Pancakes』に、出演者は苦悩しながら、IKKOが「どらやき」、赤江アナが「ホットケーキ」、りゅうちぇるが「せんべい」、平野ノラ(38才)が「カステラ」と答えるなど不正解が続いた。答えは「As-You-Like-It=お気に召すまま」のパンケーキなので、「お好み焼き」が正解だ。

 

出典:ニコニコニュース

http://news.nicovideo.jp/watch/nw2652799