注目集まるLGBT訪日客 多様な要望応え商機

訪日外国人の多様な要望に応えようと、国内で観光商品の開発が活発な中、大阪や京都では性的少数者(LGBT)に向けた結婚式などを商品として販売する事業者が現れている。大きな可能性を秘めた市場の開拓に、観光関係者の視線が集まっている。

 

 

和装での挙式に臨む訪日外国人のLGBTカップル(アウトジャパン提供)

 訪日外国人客数は、2016年に約2403万9千人と過去最多を記録。韓国人や中国人に人気の大阪は、前年比31%増の941万人(速報値)だった。

 

 右肩上がりに増えている訪日外国人に向けて、観光商品の開発が進む一方、LGBT旅行者をターゲットとする「LGBTツーリズム」に着目する事業者も出てきた。

 

 LGBTツーリズムの世界的な市場規模は約2020億ドルといわれており、海外では自治体がプロモーションを展開するなど誘客に注力。国内では「ホテルグランヴィア京都」(京都市)が14年に同性結婚式プランの提供を始めた。

 

 LGBTマーケティングを手掛ける「アウトジャパン」(東京都千代田区)が大阪市内で開いたLGBTツーリズムのセミナーには大阪をはじめ広島や岡山から観光関係者が参加。市場へのアプローチの方法や最新事情を学ぼうと熱心に耳を傾けた。

 

 同社は昨年1月からLGBT旅行者向けに結婚式を販売している。大阪市内ではアメリカ人女性のカップルと娘の3人が神前で挙式。カップルのうち1人は紋付きはかま姿、もう1人は打ち掛け姿で、三三九度といった日本の作法での挙式に満足していたという。

 

 同社の担当者は「旅行中の一つのイベントとして楽しんでいるようだ」と訪日外国人の傾向を分析。「(LGBTの)市場は分母が大きい上に質が高く、コミュニティーの結束が強い。手探り状態だが商機をつかみたい」と期待を寄せる。

 

出典:大阪日日新聞

http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/170316/20170316030.html