インバウンド客の影響大!?スノーリゾートの現状と今後の打開策 パート1

16:49配信

インバウンド客の影響大!?スノーリゾートの現状と今後の打開策 パート1
インバウンド客の影響大!?スノーリゾートの現状と今後の打開策 パート1

コロナ禍の中、インバウンド観光客が激減し、打撃を受けた事業は様々あると思いますが、スノーリゾートもその中の一つです。

 

先日、拝見したニュースの中でこのコロナにおいてインバウンド客が途絶えた影響は各スキー場ごとに違いがあるとのことでした。

   

 

 

◇◆コロナ禍のスキー場、分かれる明暗 インバウンドがなくなると 

スキー場、分かれる明暗 インバウンド減を埋めたのは…

https://www.asahi.com/articles/ASP336KNPP2VULUC02G.html

 (朝日新聞)

このニュースの通り、元々インバウンド客の比率が少ないスキー場は、大きな影響は受けず、その逆は当然影響が大きくなります。ただ、元々日本人のスキー・スノボー人口は下降傾向にある為、多かれ少なかれスノーリゾートとしてはインバウンド客を獲得していく必要はあると思います。

そこで、今回は日本のスノーリゾート(スキー場)の現状と今後の打開策を検討してみました。

 

 

◇◆日本のスノーリゾートの強み

日本のスキー場の数は世界でもトップクラスです。もちろん、数が多ければ良いという分けではないと思いますが、それだけ様々なバリエーションのスキー場があり、日本各地でスキーができる可能性があることは誇れることです。ただ、滑走エリアの広さや連結しているゲレンデの数など、総合的な規模でいうと、欧州や北米の規模よりは当然小さくなります。

そんな中、日本のスノーリゾートの強みをあらためてまとめてみました。

 

・パウダースノー

日本海からの偏西風の影響が絶妙なバランスであり、特に北海道を中心に日本は良質なパウダースノーが降り積もります。日本の立地でパウダースノーが降ることは、様々な自然環境が合わさった産物でとても恵まれていることであり、世界に誇れるスノースポーツ環境を提供しています。

 

・標高の低さ(標高差の少なさ

日本のスキー場の標高は高くても2,300m程度で、多くは2,000m前後が多いですが、欧州のスキー場では、高いところで標高4,000m近くから滑走でき、滑走エリアの標高差が2,000m以上に上る場所もあり、高山病などの心配もあります。日本には基本的に高山病などのリスクはない為、この点を魅力に感じる世界のスノースポーツ愛好者がいることも事実であり、日本の強みの一つでもあります。

 

・リフト券の安さ

欧州は日本より1030%程度高い程度ですが、オーストラリアや北米に至っては1100ドル前後と日本に比べると非常に高額です。もちろん、総滑走距離の長さやリフトの多さなど規模の違いも含めて考えると一概に料金が高いか比較しづらいですが、欧米との物価も加味して考えるとリフト券の安さは日本のスノーリゾートの魅力の一つです。

 

・温泉、日本文化体験

日本のスキー場と温泉や日本文化体験をセットで楽しむ訪日観光客は多いです。これはスノーリゾートの直接的な魅力ではないかもしれませんが、日本の観光資源が元々持っているポテンシャルの高さは海外のスノースポーツ愛好家にとっても魅力の一つとなっています。

 

 

◇◆海外プロモーション

それでは、日本はどのようなプロモーションをしかけていけば良いでしょうか。ターゲット国(エリア)ごとにみていきましょう。

 

・オセアニア圏

日本のスノーリゾートにとって最大のターゲットはオーストラリアとニュージーランドであるといっても過言ではありません。南半球の国で日本と季節が逆である為、123月は自国内でスノースポーツができない為、その時期北半球の国へ旅行するニーズがある為です。また122月あたりにかけて、クリスマス~年末年始~夏休みと、休みが多い時期でもある為、長期の海外旅行がしやすい環境があることも、日本にとってはメインターゲットとなっている理由です。その為、現地では、雪に関するイベントが5、6月ごろから開催されることもあり、オーストラリア、ニュージーランドに対しては夏前ごろを目途にプロモーションを開始していくことが重要です。

 

・北米圏

北米圏は北半球でありスノーシーズンが日本と同じです。その為、北米の大型スキー場との比較を意識した情報発信を心掛け、航空会社や現地旅行社、インフルエンサーなどとのタイアップで、継続的に魅力を発信することが大切です。

 

・アジア圏

欧米豪よりは、本格的なスキー・スノーボーダーの比率は下がりますので、雪遊びニーズから短期滞在など、お手軽な雪体験プランの発信が有効です。また、食、温泉、アクティビティやショッピングなどスノーアクティビティ以外のコンテンツと組み合わせた広域的なスノーリゾートエリア全体の魅力発信が有効といえるのではないでしょうか。ただ、アジアの中でも韓国には、欧米豪と変わらない本格的なスキーヤー・スノーボーダーも多い為、アジアとは言え、国ごとに発信する情報をカスタマイズしていくことが大切です。

 

 

 

◇◆まとめ

日本のスノーリゾートは、世界的に見ても個性的で魅力的な部分が多数あります。ただ、日本のスノースポーツ人口が減っている現在、今後も海外からの旅行者を誘致していく必要があります。その為には、日本の各スノーエリア、空港や駅などアクセス拠点、バス、タクシー、国内外の旅行代理店など各事業者との連携を通じて、日本全体でスノーリゾートを活性化していくという視点が非常に重要であると思います。

 

  

著者:JOINT ONE 嶋田拓司

 

*2021/03/19リンクURL編集済み