コロナ禍の外国人

長引く新型コロナウイルス禍は、日本人の生活に深刻な影響を与えている。だが、医者にもかかれないなど、さらに困窮する在日外国人も多い。そんな外国人の実情を示す調査結果が、相次いで発表された。

一つはNPO法人・北関東医療相談会アミーゴスが昨年10~12月、入管施設から一時的に収容を解かれた仮放免中の141世帯に行った調査だ。

入管難民法によると、在留期間を過ぎた外国人らは原則、収容される。健康を害した場合などは仮放免されるが、就労が認められず医療保険に加入できない。

調査では、生活が「とても苦しい」「苦しい」との回答が計89%に達した。金銭や食料を頼っていた知人も収入が減り、支援を受けられないとの答えが目立つ。金がなく病院へ行けないことが「ある」も84%に上った。

一方、国立国際医療研究センター(NCGM)などが昨年1月、在日ベトナム人929人に実施した調査によれば、回答者の27%が新型コロナの症状があっても検査を受けなかった。費用が心配だったり、どこで検査できるか分からなかったりしたためだ。

病院の受診率やワクチンの接種率が低ければ、感染拡大につながる。

アミーゴスは、仮放免者の医療保険加入を認め、仮放免者らを無料か低額で診療している医療機関への行政の補助を広げるよう求めている。

 

出典:下野新聞

https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/571613