3園連携、「ガーデンツーリズム」商品化 英国式庭園運営の光和創芸

茅野市で英国式庭園「蓼科高原バラクライングリッシュガーデン」を運営する光和創芸(東京)は、複数の庭園と連携して誘客を図る「ガーデンツーリズム」を始める。バラで有名な中野市の一本木公園、新潟県見附市の「みつけイングリッシュガーデン」と協力。3園を巡るツアーを企画し、一体的に集客力を高める。日本の庭園文化や公園は訪日外国人旅行者に人気があり、海外誘客も狙う。

 

 ガーデンツーリズムは、植物の名所で知られる庭園や公園を巡る観光形態。国土交通省によると、欧米を中心に普及しており、自然豊かな地方に観光客を呼び込む手段として有効という。一つ一つの庭園や公園では知名度に課題があっても、地域や官民の枠を超えて連携することで、集客力や収益力を高められる。

 

 光和創芸は昨年10月、ガーデンツーリズムの実践に向けて茅野市、中野市、見附市と「構想推進会議」を設立。3園を巡るコースを「長野・新潟ガーデン街道」と名付け、周遊するツアーを考案した。今月下旬に初のツアー(2泊3日)を開き、首都圏から女性15人が参加する予定だ。

 

 3園はいずれも、光和創芸の取締役で英国園芸研究家のケイ山田さんが総合監修や一部デザインを手掛けた。3園の標高差は約1100メートルあり、ツアーでは開花時期の異なるさまざまな植物を観賞できる。構想推進会議は当面、主な客層に中高年の女性を想定し、海外誘客に向けて多言語対応の準備も進める。

 

 国交省は本年度、ガーデンツーリズムの普及を目指し、複数の庭園、公園の連携で魅力向上を図る計画の登録制度を創設。情報発信などで各地の連携を後押しする。構想推進会議は今秋にも、計画の登録を申請する方針で、共通パンフレットの作製や専用ホームページの開設を検討している。初のツアーは計画申請に先立って商品化した。

 

 「バラクラ」の団体客を除く来園者数は年間約20万人で横ばい傾向が続く。リピーターが多く、新規顧客の獲得が課題になっているという。光和創芸の山田裕人社長は「それぞれの庭園が魅力を高める努力を続けながら、横に連携することで観光誘客の新たな展開が期待できる」としている。 

 

 

出典:信毎WEB

https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190523/KT190522BSI090001000.php