水産業のピンチをチャンスに!?【魚】と【旅】を繋ぐステイホームを活用したプロモーション

14:10配信

水産業のピンチをチャンスに!?【魚】と【旅】を繋ぐステイホームを活用したプロモーション
水産業のピンチをチャンスに!?【魚】と【旅】を繋ぐステイホームを活用したプロモーション

前回農業と異業種の繋がりにおける農作物の廃棄や雇用について書きましたが反響を頂きましたので、今回は水産業おけるプロモーションについて考えます。

新型コロナの影響で様々な業種に悲鳴があがる中、出荷先を失い行き場をなくした鮮魚を助ける取り組みがされているという。

以下参考:

需要減の水産物 漁業者支援で無料提供 コロナ影響

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200622/k10012479401000.html

 

こうして、鮮魚の値段が下落している中、さらに廃棄となれば水産業にとって経済的に大きな負担となります。また、漁師の方々の生活にも負担がかかってしまいます。

せっかくの鮮魚を廃棄せずに、前向きな方法はないのでしょうか?

 

■消費者の鮮魚購入の動き

消費者がスーパーで魚を購入する際に、購入種類を決めるのは、「お店に行ってから決める38.9%」という結果が出ています。

以下参考:

統計・データでみるスーパーマーケット

http://www.j-sosm.jp/customer/2017_03.html

現物を見て鮮度などを判断したうえで購入したいという消費者の心情が表れています。

 

■新型コロナ 鮮魚への影響

以下参考:

【新型コロナ】“憧れの魚”手頃な価格で 外食需要が減少、スーパーが消費後押し

https://news.yahoo.co.jp/articles/d53d7f997805180b775eef0ebc34f117ed3a22a2

 

コロナ余波でスーパーに「格安高級魚」 都民にとって幸か?不幸か?

https://urbanlife.tokyo/post/34708/

 

上記の影響は実際に筆者の行くスーパーでも感じるところがあります。それは鮮魚まるっと1本(尾/匹)とてもお安く売られていることです。

最近はそういった理由で今まで購入したことがない鮮魚にも挑戦するようになり日本各地の色々な鮮魚を楽しむことが増えました。

ちなみにそのスーパーは、普段から魚市場のように氷が積まれた上に丸ごと新鮮な鮮魚がきれいに並べられ、お願いすれば無料でお刺身や切り身にしてくれますし、アラも持ち帰るかどうか選択できます。

 

その際に、値札に書かれた「○○県〇〇湾の〇〇(魚名)」という部分。

これがとても旅情感を感じさせてくれるのです。更に、お店の方に調理方法を聞けば、現地での食べ方や詳しい調理方法を教えてくれるのです。

そんな食べ方があったのか!と驚くことも多々あるのです。

よって、消費者としては、なかなか旅に出かけられない現状でもその地のものを現地に近い状態で味わうことで、「こんなに美味しいならばきっと現地に行ったらもっと美味しいだろうな~もっと美味しいものがたくさんあるのだろう」と感動と期待で胸を膨らませ、行きたい旅先リストに仲間入りするわけです。更に、身近な人へ口コミが広まります。

また、消費者が観光業に携わっている方ならば、産地を調べ、新しい発見のひとつに繋がればツアールートに入れてみようなど『検討・提案リスト』に挙げられる可能性があります。

 

昨今の配送システムはとても素晴らしく数時間で売り場に並ぶこともできるくらいの技術に進歩しているため、活魚で手に入れることも可能な時代になりました。

そのおかげで、一般的に既に切り身で売られている魚も美味しいですが、売り場でまるまる魚の姿を見たときの高揚感は消費者にとってやはりプラスだと思います。

この高揚感は現地へ思いを馳せるきっかけとなる可能性を持ち合わせ、さらに値札の見せ方やちょっとした現地の観光情報や現地レシピなども記載されるとより消費者は旅行と直結しやすくなると思います。

そして、将来実際に旅を経験した「旅アト」に消費者はその旅を思い出して購入するという循環が生まれリピーターやファン獲得に繋がります。 

よって、スーパーや水産業にとってもメリットが生まれる可能性が高いということです。

 

■まとめ

緊急事態宣言が解除されたとは言え、新型コロナ禍以前の旅行者数へ回復するには時間がかかりそうです。そのため、出かけられないけれどせめて「ステイホームで旅気分!」と考える方が増えているようです。

 

また、この状況をプロモーションチャンスとして捉え、消費者に安く鮮魚を購入してもらえるこの間に、様々な種類の魚に挑戦しもらい、消費が減ってしまった日本の魚をもっと食卓に並べるきっかけになることを祈っています。

 

ライター:カイトマウリ(JOINT ONE)