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爆買いの次は「洗肺(シーフェイ)」? 中国人旅行客の新たなブーム (金, 17 5月 2019)
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爆買いの次は「洗肺(シーフェイ)」? 中国人旅行客の新たなブーム

東京で爆買いし、箱根と富士山に寄って京都に入り、最後は大阪のUSJで遊んで帰る。そんな中国人観光客のゴールデンルートが変わりつつある。目指すは地方だ。何のために?

 

 

 日本の10連休とまではいかないが、中国でも異例の4連休があった。中国国務院は、5月1日の労働節(メーデー)の休暇を2日延長して4連休とする通知を3月に発表。突如現れた大型連休に、旅行会社には問い合わせが殺到した。インバウンドニュースサイト「訪日ラボ」編集長の根本一矢さんは言う。

 

「中国の入国管理局によれば、この4連休で海外旅行に出かけた中国人は約845万人です。休暇期間が7日間だった今年の春節(旧正月)の旅行者数、約700万人を上回ります。春節は家族と過ごすための大型連休ですが、今回の4連休は中国政府が旅行需要を喚起しようと作った連休。目論見通り、旅行者が増えたと考えられます」

 

 日本への中国人旅行客と言えば、大量に商品を購入する爆買いが知られるが、

「2016年に人民元安による円高で旅行客の買い物消費がマイナスに働き、中国側の税制変更で買った物を国に持ち込む際の税率も上がり、爆買いは目立たなくなりました」(根本さん)

 

 爆買いに代わり、新たに登場した中国人観光客のキーワードが「洗肺(シーフェイ)」だという。いったい、何なのか。

 

「きれいな空気を吸って肺をきれいにすることを洗肺と呼びます。爆買いブーム時に洗肺への兆しがあり、中国人が買うもののトップ3は炊飯器と温水便座、そして空気清浄機でした」(同)

 

 中国では周知のとおり、微小粒子状物質「PM2.5」による深刻な大気汚染が問題になっている。改善傾向にあるが、例えば北京では、PM2.5の平均濃度は1立方メートルあたり58マイクログラム(17年)と日本の基準値15マイクログラムを大きく上回る。15年まで北京に留学していた女性(34)は振り返る。

 

「いつもスモークがかかった感じで、真っ青な空を見たことがありません。日本の空港に降り立った瞬間、空気ってこんなにおいしいんだと感じました」

 

きれいな空気を吸いたい──中国国内の地方都市への洗肺旅行が13年ごろからブームに。プーケットやバリ島も洗肺旅行地として人気になり、爆買いブームの終焉とともに日本へも洗肺需要が押し寄せた。前出の根本さんは話す。

 

「団体旅行から個人旅行への転換期でもあり、定番ルートではなく、未知なる日本を目指そうという動きがあった。そこに洗肺需要も後押しし、日本の地方都市への旅行が拡大しました」

 

 中国の4連休初日の5月1日、搭乗率99.5%を記録した区間がある。上海発、佐賀空港行きのフライトだ。佐賀県観光課のインバウンド担当者は言う。

 

「中国人観光客は上海からの飛行機が佐賀空港に就航した12年は6020人でしたが、15年ごろから急増し、18年は5万8980人まで増えています」

 

 県内の嬉野や武雄などの温泉街が人気だという。昨年ごろから中国人旅行者のSNSに洗肺という言葉が目立ち始め、佐賀が洗肺スポットとして注目されていることに気が付いたという。

 

「中国の方は田園風景が残る佐賀県を桃源郷と呼びます。今夏は中国の有名なブロガーをホタルや棚田に案内し、佐賀県のさらなる魅力をアピールしていきたい」(先の担当者)

 

 洗肺を営業トークに使う動きも出てきている。博多湾に浮かぶ能古島の自然公園「のこのしまアイランドパーク」(福岡市)では、公式ツイッターの投稿に「#(ハッシュタグ)洗肺」を使用。広報担当の山崎浩昭さんは言う。

 

「海と花に囲まれた公園内で深々と深呼吸をしている中国人の姿はよく見ましたが、それが洗肺とは思いませんでした。眺めがよく、日本人のお客さんもよく深呼吸をしていますから」

 

 爆買いブーム時には注目されなかったが、免税店レジでの購入額(1~3月)が前年比126%と売り上げを伸ばす商品もある。たばこや排ガスによるせきやたんなどの症状を改善する漢方薬「ダスモック」(上写真)だ。インバウンドの売り上げの8割は中国人が占めている。

 

 

 

出典:AERAdot

https://dot.asahi.com/aera/2019051300076.html?page=1