もっと見知らぬ人にも心を開いてみない?/外国人観光客30人にコミュニケーションについて聞いてみた

東京2020オリンピック・パラリンピック開催まで、あと1年と少し。チケット販売も佳境を迎え、来年の夏には多くの観光客が観戦のため日本を訪れることでしょう。

 

そこで、ふと生まれた疑問。外国から来た観光客にとって、はたして日本は旅行しやすいのだろうか。レストランやホテル、電車・バス、駅のアナウンスや案内図、サイネージ。あらゆるコミュニケーションの場面で、日本語のできない彼らは困ってはいないだろうか?

 

分からないならば、直接聞いてしまおう! ということで、我々MASHING UP編集チームは、5月吉日、日本を旅行中の外国人に街頭インタビューを実施しました。

 

彼らに聞いた質問は以下の2つ。

 

1.日本でコミュニケーションにおいて困ることはありますか?

 

2.どんな場面でコミュニケーションに問題を感じますか?(会話、交通、レストラン、乗り物、両替・ATM、標示・地図、予約、ホテル、観光スポット、その他から複数選択可)

 

リサーチ場所は、人の波でごった返す渋谷駅周辺。外国人観光客がこぞって列をなす撮影スポット、ハチ公前から突撃開始です。今回は彼らから得た回答を、抜粋してお届けします。

 

「旅行中のコミュニケーション、困ってない?」

「日本人は聞けば答えてくれるから大丈夫」(カナダ出身・2人組)

日本人は皆親切で、道を聞けば丁寧に答えてくれるよ。どこかに行く時は、基本的にアップルマップやGoogleマップを駆使して、目的地までたどり着くのさ。

 

 

「困ってる! コーヒーを頼んだら何が出てきたと思う?」(ノルウェー出身)

日本に住んでいます。日本語はまだまだ勉強中で、郵便局で小包を送るときは苦労したわ。あとは、レストランね。こないだなんか、ポテトをオーダーしたらコーヒーが出てきたのよ!

 

「言葉が通じないけど、困らないわ!」(フィリピン出身)

日本の人は、英語は話せなくてもとても親切ですね。他のアジアの国に比べてスマイリーだと思うわ。それから、なにかとすぐ「アイムソーリー」と謝る傾向があるわね。

 

「もっと見知らぬ人にもフレンドリーになったら?」(フランス出身)

東京はパリのように美しい町。でも外国人はロンリーだと思う。そういうお国柄なのだろうけど、誰も他人に話しかけないから。相手が外国人だとなおさら距離を取ろうとするわね。フランス人は見知らぬ人とも、通りで挨拶しあうものよ。

 

「日本語できるし、困ってないよ」(ベトナム出身・カップル)

都内の専門学校で日本語を学んで2年目です。ホーチミンで日本語を勉強してから来日したので、生活していてそこまで困ることはないですね。

 

「日本語のメニューは解読できなくて……」(オランダ出身・カップル)

昨日着いたばかりですが、日本語のメニューしかないお店ではオーダーするのに苦労しました。

 

開始から約2時間。トータルで、30人の外国人観光客(一部、日本在住者も含む)にインタビューすることができました。結果はこのとおり!

 

 

(ジャジャン!)

ちょっと見えづらいので寄ってみます。ジャン!

 

1.日本でコミュニケーションにおいて困ることはありますか?

はい(困っている):16人  いいえ(困っていない):14人

 

2.どんな場面でコミュニケーションに問題を感じますか?

レストラン :8人

乗り物   :6人

標示・地図 :3人

その他   :3人(郵便局など)

会話全般  :2人

交通    :2人

両替・ATM :1人

ホテル   :1人

予約    :0人 観光スポット:0人

 

まず、コミュニケーションにおいて「困った」人が「困ってない」人よりたった2人多いだけ、という意外な結果に。標識の英語表示が小さいとか、英語を話す人がなかなかいないとか、もっともっと困難があるのでは、と思ったのですが。日本(人)と外国人旅行者のコミュニケーションは、意外とうまく行っているようです。

 

……まあそもそも、不便さやトラブル、言葉のまるで通じない相手とのジェスチャーを交えた会話さえも、実は海外旅行の醍醐味だったりしますもんね。

 

面白かったのは、「コミュニケーションで困った場面」はレストラン(飲食店)が最多、という点。たしかに、写真もない日本語だけのメニューでは、外国の人にはお手上げでしょう。食は旅を彩る大事な要素なので、うなづける気がします。

 

逆に意外と「困った」人が少なかったのは交通。地図アプリやGPS、乗換案内などテクノロジーの進歩で、言語コミュニケーションを介さなくても、スマートフォンひとつで目的地にたどり着くことが容易になったせいでしょう。

 

 

また、インタビューを通して、外国人の目に映る日本人の国民性もうっすらと浮かび上がってきました。誰もが口をそろえて「親切」と言ってくれるのは、うれしい収穫でしたが、すぐ「ソーリー」と謝る、知らない人に無関心、などちょっと耳が痛くなるような発言も!

 

フランス出身の黒人女性は、「日本人は、公共の場でわたしが隣に座ると、位置を少しずらして距離を置くのよ。わたしが黒人だから?と思って結構傷つくの」と打ち明けてくれました。このあたり、日本人特有の距離感の表れなのでしょうか。日本に長く住んでいる外国人にインタビューしたら、もっと深く見えてくるかもしれません。

 

初めてのチャレンジだったMASHING UPの街頭インタビュー。これからも気になる話題を追いかけていきたいと思います。ご協力いただいた皆さん、どうもありがとうございました!

 

出典:エキサイトニュース

https://www.excite.co.jp/news/article/Cafeglobe_communication_interview/